第1話 「百鬼丸の巻・その一」 |
1969/04/06 |
戦国の持侍であった醍醐景光は自分の野望に対する生贄として生まれてくる自分の子どもの体を48体の魔神に捧げた。そのせいで身体のうち48箇所を奪われ て生まれてきた赤ん坊は、あまりのおぞましさに川へと捨てられてしまう。しかし赤ん坊は生き延びた。天才的な医師に身体の足りない部分を補われ、百鬼丸と 名乗って成長した。彼は常に死霊に付きまとわれていたが、両腕の義手に仕込まれた鋭い剣で、それらを切り倒していた。そんな彼はある時、刀と名がつけば何 でも欲しがる刀泥棒の少年、どろろと出会った。 |
演出/出崎統 |
第2話 「百鬼丸の巻・その二」 |
1969/04/13 |
どろろに付きまとわれて困り果てた百鬼丸は、追い払うために自分の呪われた身の上を聞かせてやった。イモ虫のような姿で生まれてきたのだが寿光という名の 医者が足りない部品を義手や義足や義眼で補ってくれて、ようやく生き延びることが出来たのだと。しかし何故か死霊たちが彼の周りに擦り寄ってくる。死霊た ちは死ぬはずの身体で生き長らえている百鬼丸に引き寄せられるのかもしれない。つまり、自分と共にいる、ということは常にその死霊たちの影に怯えなければ ならない、ということだ。百鬼丸はどろろにそう語る。しかしどろろは「へっちゃらだい」と却って面白がった。「48の妖怪を倒せば普通の体に戻れる」その 謎の声を信じて百鬼丸の旅は続く。戦火に遭って焼け落ちた寺で孤児たちの世話を焼いているみおという名の少女と知り合った百鬼丸は、彼女のやさしさに触 れ、はじめて心を和ませた。しかしそのみおと孤児たちは乱入してきた侍たちに殺されてしまう--。 |
演出/遠藤政治 |
第3話 「妖怪万代の巻・その一」 |
1969/04/20 |
川原で野宿をする百鬼丸とどろろは、金小僧という妖怪と出会った。とくに悪さをするわけでもないその妖怪のことを翌日、村で話すと、そのせいでふたりは村 人に捕らえられ、村の女名主、万代の屋敷の敷地内にある小屋に閉じ込められてしまう。その夜、小屋の近くにある古井戸から、見るも醜怪な妖怪が現われた。 百鬼丸はこれを退治しようとするのだが--。 |
演出/富野喜幸 |
第4話 「妖怪万代の巻・その二」 |
1969/04/27 |
金小僧は埋められた金から生まれた精霊だった。金の埋まっている場所を金小僧は百鬼丸に教え、村人たちがそこを掘り返すと精霊の教えたとおりに金が出てく る。それはもともとは村人が例の醜怪な妖怪に奪われた金だった。女名主の万代はそんな村人を哀れんで金を恵んでやっていたのだという。その話を聞いて百鬼 丸は醜怪な妖怪の正体を見破った。夜、再び襲ってきた妖怪を百鬼丸は村人の協力を得て手傷を追わせる。屋敷に逃げ込んだ妖怪が万代その人に変身する光景を どろろは目撃する。思ったとおり、女名主こそが妖怪の正体で、彼女は村人から盗んだ金を村人にまた恵んでやることで、この村を支配していたのだった。妖怪 の正体、それはこの女の体に出来た人面瘡だった。 |
演出/富野喜幸 |
第5話 「無残帖の巻・その一」 |
1969/05/04 |
旅の途中、熱病にかかって倒れたどろろを看病していた百鬼丸はその時はじめてどろろの悲しい過去を知った。どろろは貧しい百姓夫婦の子として生まれた。生 きるために夫婦は野盗となり、やがてどろろの父親、火袋は侍と金持ちだけを狙う盗賊団の狩猟となった。ところが武士と取引をした手下の裏切りに会い、親子 三人は役人に引き渡されてしまう。嵐の中で脱獄した三人に追っ手をかけられる。火袋は妻子を逃がすため、自らが盾となって追っ手に戦いを挑んだ-- |
演出/高橋良輔 |
第6話 「無残帖の巻・その二」 |
1969/05/11 |
追っ手を指揮していたのは裏切った部下だった。その部下は恩があるからと火袋を殺さず、変わりに両足に矢を撃ちこんで彼から両足の自由を奪うのだった。歩 けない火袋と乳飲み子を抱えた妻のお自夜は、ついに乞食も同然に落ちぶれてしまい、火袋はからかい半分の侍の手にかかって殺されてしまう。お自夜もまた凍 てつく寒さの中でどろろを庇いながら息を引き取っていった。熱病にうなされていたどろろは、そんな過去を回想し、そして、けれどまだ自分は生きていると、 強く自分に言い聞かせるのだった。 |
演出/出崎統 |
第7話 「妖刀似蛭の巻・その一」 |
1969/05/18 |
その刀は、持ち主の心を奪い、支配してしまう妖刀だった。その妖刀に取り憑かれた田之介という男は、いきなり百鬼丸に戦いを挑んでくる。刀が血を求めてい るのだ。刀泥棒のどろろは、そんな妖刀に魅せられ、とうとう田之介から刀を盗んでしまう。しかし同時にどろろは妖刀によって心を支配され、血を求めて次か ら次へと人に切りかかって行き、街を大混乱に導きながら刀鍛冶の小屋へと立てこもった。妖刀を奪われた田之介は、あの刀が無ければ生きられないと、刀を奪 い返すべくどろろの隠れる小屋に火を放った。 |
演出/勝井千賀雄 |
第8話 「妖刀似蛭の巻・その二」 |
1969/05/25 |
どろろが立てこもった鍛冶屋の小屋に火を放った田之介は妖刀を取り戻すことに成功した。しかしその途端、田之介は村人を斬り捨てはじめる。刀はもっと多く の血を求めていた。どろろを助けた百鬼丸は、田之介と対峙し、妖刀と剣を交える。その戦いの中で田之介は妖刀に支配され、操られている自分を悟り、自分で 自分の体を妖刀で貫いた。あやかしに心を乗っ取られることを望まなかった田之介の、人間としての最後の意思が妖刀を砕け散らせる。妖刀似蛭を退治した百鬼 丸の目に本物の目が戻った。しかしその目に映るのは、彼を差別し、排除しようとする非情な人間の社会なのだ。 |
演出/勝井千賀雄 |
第9話 「ばんもんの巻・その一」 |
1969/06/01 |
小高い丘に「ばんもん」と呼ばれる大きな板塀が立っていた。そこで一夜を過ごすことにしたどろろと百鬼丸に突然、九尾の妖狐が襲いかかってくる。夜明けと 共に妖狐は消え去ったが、代わりに無許可で国境を越えようとした者たちの処刑が始まってしまう。その処刑を指揮しているのは百鬼丸に呪いをかけた父、景光 だ。百鬼丸は残酷な刑の執行に怒りを燃やし、父と知らないまま景光に挑みかかってゆく。その百鬼丸の尋常ではない身体を見て、景光のほうはこの若者が自分 が川へと捨てた芋虫のような赤ん坊だと気づき、うろたえながら兵を引き上げさせた。その後、百鬼丸は多宝丸という名の若侍に出会い、最初こそ剣を交えて戦 うがすぐに打ち解ける。ふたりは共に九尾の妖狐を退治に赴くことにする。 |
演出/西牧秀雄 |
第10話 「ばんもんの巻・その二」 |
1969/06/08 |
九尾の妖狐を退けた百鬼丸の腕を見込んで景光は仕官になれと進める。しかし百鬼丸はいわれなきリンチの末に川へ投げ込まれたどろろを探しに出る。そこで彼 はひとりの女性と出会う。母であった。母の顔など知らない百鬼丸だったが、その女性の目の中に、確かな愛と悲しみが湛えられているのに気づく。離れて生き てきたとしても、母と子の心の絆は一瞬で女性と百鬼丸にお互いが何者なのかを教えた。しかし敢えて百鬼丸は母に背を向けてしまう。一方、どろろはばんもん の向こう側で助六という少年に助けられ親しくなっていた。ばんもんをはさんで憎みあう隣国との事情をどろろは助六から聞かされた。壁さえなければ、元は同 じ仲間だったのだ。いつかまた仲良くなれる日も来るのだろうか。そう言って板塀を見上げる助六の視線の向こうで多宝丸は、ばんもんの向こう側へと軍勢を整 え、総攻撃の準備を整えていた。 |
演出/西川博 |
第11話 「ばんもんの巻・その三」 |
1969/06/15 |
多宝丸の指揮する軍の奇襲を受け、助六の両親は殺され、村は焼かれた。助六もどろろも仲間たちと共に連行され、ばんもんに磔にされてしまう。矢を幾本も射 かけられ、助六は死んだ。次はどろろの番だ。しかし危ういところを百鬼丸が助ける。多宝丸は敵方を救う百鬼丸を見て斬り捨てようとするが、逆に百鬼丸の剣 によって斬り捨てられてしまう。それを見て九尾の妖狐は嗤った。「お前はいま実の弟を殺したのだ」と。百鬼丸は息子を殺されて怒り狂う景光に追われた。弟 を殺し、母に背を向け、父に追われているいま、百鬼丸はもはや人として生きる希望を失ってしまう。百鬼丸は絶望し、どろろにさえ心を閉ざした--。 |
演出/出崎統 |
第12話 「白面不動の巻・その一」 |
1969/06/22 |
百鬼丸に去られ、また天涯孤独の身になってしまったとどろろは泣いていた。そんなどろろの前にひとりの女性が現れる。どろろの母、お自夜にそっくりなその 女性に優しく慰めれ、どろろは女性について行く。どろろは懐かしい母の面影を見て、女性になつき、甘えた。しかしこの女性、じつは山中の滝に巣くう妖怪、 白面不動の手下なのだった。自らの顔を持たない白面不動は滝で修行する行者たちから顔を奪っていた。そんな白面不動がいま狙っているのはほかでもない、ど ろろの顔なのだった。 |
演出/彦根範夫 |
第13話 「白面不動の巻・その二」 |
1969/06/29 |
白面不動は手下の女性に、どろろの顔を要求した。どろろを滝壺に落とせ、と。だが自分を母のように慕っているどろろが可愛くなり、女性は不動の命令に従え ない。どろろと共に白面不動の元から逃げる女性はしかし、不動に操られた山犬の群に襲われ、その牙によって身体を切り裂かれてしまう。次はどろろとばかり に襲い来る野犬の群を倒したのは百鬼丸だった。彼は死霊の匂いを追って山中に駆け込んできていたのだ。百鬼丸は滝に巣くう妖怪白面不動の存在を知り、これ を倒す。倒してみると大勢の行者たちをのっぺらぼうにして殺した白面不動の正体は、岩に生えたカビにすぎなかったことが判明する。 |
演出/高橋良輔 |
第14話 「かじりんこん」 |
1969/07/06 |
再びどろろと百鬼丸の旅がはじまった。とある寺で一夜を過ごしたふたりだったが、どろろはひょんなことから山門の仁王像に踏みつけられて動きを封じられて いた天の邪鬼を自由にしてしまう。天の邪鬼は大喜びで村へと飛び込んで行き、悪戯のしほうだいで村中を大騒ぎに巻き込んでしまう。止めようとしたどろろは 逆に天の邪鬼の仲間だと思われ、村人に追われる。逃げる途中、どろろはいわくありげな石塔を倒してしまう。その石塔は恐ろしい妖怪を封印しているものだっ た。封印を解かれて地表へと飛び出してきたのは、一口かじりという妖怪。これは強欲で冷酷な名主が死して後も欲望を捨てきれずに変化したものだった。どろ ろと天の邪鬼は一口かじりに追われ、五重塔へと逃げ込むのだが--。 |
脚本/鈴木良武、演出/奥田誠治 |
第15話 「いないいない村」 |
1969/07/13 |
どろろと百鬼丸は暴れ牛を軽々と頭上に持ち上げて制止する怪力の侍、俵五呂兵衛と知り合い、三人で旅することになる。五呂兵衛は妖怪も死霊も信じないと豪 語する男だったが、百鬼丸と共にいる限り、死霊が向こうからよってくることになる。無人の村へと入った三人はさっそく妖気に包み込まれた。そして怪異がは じまる。天井からしたたる血、意思を持ってうごめく家財道具、唐突につぶれる家、死霊に操られる猫の群やカラスたち--。五呂兵衛はそれらの怪異よりも、 怪異を日常として平然と妖怪に挑んで行く百鬼丸の姿に恐れをなすのだった。 |
脚本/鈴木良武、演出/高橋良輔、勝井千賀雄 |
第16話 「妖馬みどろ」 |
1969/07/20 |
愛馬みどろの優秀な働きで侍大将に手が届きそうな時野景行は、すべての武功が愛馬のおかげとは思わず、慢心していた。そしてみどろの動きが鈍いのは子馬が 付いて回るせいだと言って、みどろから子馬を奪い、売り飛ばしてしまう。その子馬を買ったのがどろろと百鬼丸だった。みどろは我が子を失って心が壊れてし まう。凶暴な暴れ馬となったみどろに死霊が取り憑き、町を炎上させ景行も殺される。魔物となり果てたみどろ。それでも子馬は母親を慕っていた。その気持ち はじゅうぶんにわかっていながら、百鬼丸の剣は妖馬みどろを倒すのだった--。 |
脚本/さわきとおる、演出/奥田誠治 |
第17話 「妖怪どんぶりばち」 |
1969/07/27 |
食い意地の張った村長に妖怪どんぶりばちが取り憑いた。村長に腹が膨れて破裂するほど穀物を食べさせては、へそから体内に入って養分を吸い取ってしまう。 それがどんぶりばちだった。だから食べても食べてもお腹がいっぱいにならない村長は村中の穀物を平らげようとする。通りかかったどろろと百鬼丸は、この妖 怪を倒した。それは沼に住む亀の精気だった。大亀は年を取り過ぎて自分では餌が取れないため、精気を放って妖怪とし、養分を吸い取らせていたのだった。 |
脚本/鈴木良武、演出/高橋良輔 |
第18話 「海獣ビラビラ」 |
1969/08/03 |
漁村にさしかかったどろろと百鬼丸。どろろは岩に突き刺さった銛を面白半分に抜いてしまう。しかし、その銛はビラビラと呼ばれる白骨化したエイの妖怪を封 じていたものだった。地中から海へと逃れたビラビラを追って、百鬼丸は海へと飛び込む。しかし格闘の末、百鬼丸の姿は消えてしまう。死んだのだ。そう思っ た村人たちは、ビラビラの怒りを鎮めるため、人身御供として、どろろと村の女の子を海へと流すのだった--。 |
脚本/さわきとおる、演出/北野英明 |
第19話 「雷火犬」 |
1969/08/10 |
子犬を道連れにして峠へとさしかかったどろろと百鬼丸に突如、妖犬が襲いかかる。妖犬は雷を操り、落雷に吹っ飛ばされてどろろは失神、百鬼丸は谷底へ落ち てしまう。川下の村で救われた百鬼丸は、その村が闘犬の盛んな村だと知る。その残酷なまでの犬の調教を見て、百鬼丸は峠の妖犬の正体を見抜く。あれはこん なふうに人間に虐待の限りを尽くされた犬たちの怨念なのだと。妖怪が恐ろしいのではなく、本当は人間に忠実な犬たちでさえ妖怪に変化させてしまう、そんな 人間の残酷さの方が恐ろしい。百鬼丸はそう思いながらも妖犬を退治し、丁重に葬ってやるのだった。 |
脚本/鈴木良武、演出/石黒昇 |
第20話 「おんぶら鬼」 |
1969/08/17 |
その地蔵は子守を求めていた。自分のお守りをしてくれなければ村を荒らすと、村人たちを脅していた。しかも子守を差し向けると、その子守は食い殺されてし まう。村人は仕方なく何も知らない旅人を好条件で子守に雇っていた。そうとは知らないどろろは子守募集の立て札を見て、喜んで子守を買って出る。しかし百 鬼丸は村に満ちる妖気に思った。調べてみると、問題の地蔵には蜘蛛の妖怪が取り憑いているとわかる。妖怪は地蔵におんぶひもで縛られた子守を襲い、自らの 餌としていたのだ--。 |
脚本/鈴木良武、演出/高橋良輔 |
第21話 「まいまいおんば」 |
1969/08/24 |
道行きの途中、牛車とすれ違った百鬼丸はただならぬ妖気に気づいた。牛車を牽いていたのは鯖目という名の侍で、乗っていたのは妻のまいまいおんばだった。 まいまいおんばも百鬼丸にただならぬ気配を感じ、鯖目に百鬼丸を斬ってくれと頼む。その攻撃をかわした百鬼丸はまいまいおんばの正体を暴こうと彼女の館に 潜入する。その地下で百鬼丸が発見したのは、無数の蛾の卵だった。すべて、まいまいおんばが産んだ卵だった。彼女は銀粉をまき散らす巨大な蛾の化け物だっ たのだ。 |
脚本/虫プロ合作、演出/南川博 |
第22話 「妖怪もんもん」 |
1969/08/31 |
その村にはたったひとりの女の子しか暮らしていなかった。訳を聞くと村の者たちは全員が金を探しに山へ入ったきりなのだと言う。金がゴロゴロしていると聞 いたどろろは「おいらも!」と女の子に案内させて山へ入って行く。しかし百鬼丸はこの村の人々が消えたのは最近のことではないと見て取った。山に妖怪の気 配を感じた百鬼丸は、どろろの後を追った。待ちかまえていたのは妖怪モモンガだ。女の子はじつはこのモモンガの仮の姿で、金があると旅人を山に誘い込んで は、自分が飼っている大ナメクジの餌にしていたのだ。 |
脚本/鈴木良武、演出/岡崎稔、高橋良輔 |
第23話 「人喰い大木」 |
1969/09/07 |
砦を作るのに邪魔だとされ、樹齢2000年を越える大木が切り倒されることになった。そこへ行き会わせた百鬼丸はその大木に強烈な妖気を感じる。老木には 常になにがしかの精霊が宿るものだが、この大木から発せられるそれには、邪悪な気配が濃厚だった。妖気など感じないと斧を叩き込もうとする樵を引き留め、 百鬼丸は自らの剣で斬りつけようとする。そしてそのまま百鬼丸の腕は大木に飲み込まれてしまった。兄貴が大木に食べられちゃった! どろろは唖然となるのだ。 |
脚本/平見修二、演出/奥田誠治 |
第24話 「四化入道」 |
1969/09/14 |
川辺で水浴びをしていたどろろは魚取りの仕掛けに腕をはさまれてしまう。助けを求めるどろろを見て、百鬼丸は仕掛けを外す道具を借りに近くの寺へと向かっ た。その寺の住職は快く道具を貸してくれたが、百鬼丸はこの住職から漂う妖気に気づいた。川に戻ってみるとどろろの姿がない。百鬼丸は、犯人は住職の四化 入道と見て、戦いを挑む。この住職は侍に寺を明け渡せと命じられて断り、地中に生き埋めにされた死霊だった。地中でネズミやイタチ、モグラなどの精気と混 ざり、妖怪へと変じたのだとわかり、百鬼丸は倒した後に、この住職の霊を手篤く葬ってやった--。 |
脚本/杉山卓、演出/杉山卓 |
第25話 「妖怪土坊主」 |
1969/09/21 |
その町にはぐう太郎という名の乞食がいた。たいへんななまけ者で10年間、同じ場所に座ったまま動くことさえしないらしい。しかし本当はただなまけている から動けないのではなかった。彼は動くに動けないのだ。彼の尻には経文が書かれていて、その尻を地べたにくっつけていることで、地中に潜む妖怪を封じてい るのだ。どろろが可哀想に思って体を洗ってやり、経文まで洗い落としてしまったせいで、地中から飛び出した妖怪土坊主と百鬼丸は戦うのだが、逆に地中に引 きずり込まれてしまう--。 |
脚本/鈴木良武、演出/杉山卓 |
第26話 「最後の妖怪」 |
1969/09/28 |
どろろは自分の両親と同じように貧しい農民たちが一揆を起こそうとしているのを知って、自分も仲間になると志願し、百鬼丸に別れを告げた。百鬼丸はひとり 旅を続け、次々に妖怪を倒して行く。そしてとうとう念願の48匹退治まであと一匹となった。そんな百鬼丸に怪しげな老婆が言った。「最後の魔物はお前の 父、醍醐景光!」と。魔物に魂を売って武将となった景光はついに自ら魔物となり果ててしまったらしい。自分に呪いをかけた父を倒すため、百鬼丸は景光邸へ と走る。と、そこには囚われの身となったどろろの姿が--。一揆を起こした農民たちを処刑して行く景光は、最愛の息子、多宝丸を殺した百鬼丸が現れたのを 見て、激情を爆発させる。彼は妻のお縫を生け贄に捧げて魔物たちの力を頼んだ。そして48匹目の妖怪と化した景光と百鬼丸との最後の戦いが始まる--。 |
脚本/鈴木良武、演出/北野英明 |